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夢企業大賞 今までの歩み


過去3回の最優秀賞受賞者の皆さんに再び会いに行きました。


  • 「夢企業大賞」は静岡県東部および伊豆地域(三島信用金庫営業地域)の中小企業の発展と地域経済の活性化に寄与することを目的に、地域内で事業を営む、或いはこれから営む皆さまが開発した、優れた「技術や製品」、「商品」、「サービス」など新たな取り組みを通じて、地域社会に貢献するビジネスプランを表彰するものです。
  • 表彰対象は優れた技術や製品、サービス等により地域経済の発展に貢献した、もしくは貢献が見込まれる中小企業、団体または個人事業主です。
  • 選考にあたっては、学識経験者などの有識者等で構成される選考委員会において厳正かつ公正な選考が行われ、第1次、第2次の選考を経て最終選考、受賞者を選出します。選考基準は革新性・独創性を基本に、市場性、実現可能性、経済性、将来性、継続性、社会性、地域独自性などを加味し選考が行われます。
  • 第4回を数える今回は新たにルーキー賞も新設され、ますます注目度の高まる、地域に根ざした企業表彰となっています。




第1回最優秀賞
東海部品工業株式会社


チタン製頭蓋骨固定プレート及びスクリューの加工、製品化に向けて

諦めず自分たちのブランドをつくり続けること。
そこには確かな希望が見えている。


記念すべき第1回受賞者は東海部品工業株式会社さま。自動車・バイク用のネジ製造を手掛けて来た企業が新たに踏み出した医療分野への挑戦が評価されました。医療部品には特別な法律や許認可など様々な制約と高い品質が求められ、受賞当時から「大変な道だ」とおっしゃられていた盛田延之社長に、約3年ぶりにお話を伺いました。

代表取締役 盛田延之さん

代表取締役 盛田延之さん

 創業以来自動車やオートバイ等の輸送用機械器具用の自動車部品専用メーカーとして「ボルトづくり」を行ってきましたが、自動車・EV(電気自動車)の分野は今後も省力化が進み、使われる部品などは1/3、1/5に減っていくでしょう。そこで事業の多角化として平成11年に伊豆市上船原(天城工場)にマイクロネジ部門を立ち上げ、平成15年には或るお医者様の一言「指の関節用の医療ネジで、チタン製のものがあればな」をきっかけに、チタン事業部を発足し、医療部品製造に挑戦しました。医師が使いやすく、患者への負担が軽い、整形外科用補助器具(医療器具)の研究・開発、製造に着手しています。
 日本の医療分野には多くの課題があります。特にインプラント及び整形外科製品では、その約90%以上が輸入品であり、製品自体が外国人の平均的な体型や使用環境に基づいているため、日本人の体形や症例に合っていません。医者にも患者にも重い負担を強いている場合が多くあります。また薬事法の壁も厚いと言えるでしょう。安全性の評価にしても、対比する他製品がなくできないなど、開発には多くの時間と労力とコストを要しています。販売に関しても、実績がなく取り合ってもらえない、ニーズとシーズが合わず売れないという事もありました。トータル的な販売戦略の必要性を痛感しています。
東海部品工業株式会社
 受賞後も、このような多くの壁にあたりながらも、自分たちのブランドをつくり続けることが何よりも大切だと考え、どのような医療部品でも自社で製造・販売できるよう体制を整えてきました。評価していただいた「チタン製頭蓋骨固定プレート及びスクリューの加工」は、現在、薬事法の承認取得に向けて取り組んでいます。
 日本には100年以上の歴史を持つ企業が何万社もあります。日本人の芸術文化・環境・ものづくりの心は素晴らしく、他にはない資産です。これから生き残るものは、この『オンリーワン』のものだけだと思います。私どもが扱うネジは1000年の人類の歴史で発明された最高の品であり、オンリーワンのものだと自負しています。人の生命や健康を守る医療分野は簡単な世界ではありませんが、我々が選んだ道です。そして「本当の成功事例」となるよう、事業を続けていく所存です。
東海部品工業(株)が開発した「脳外科用プレート」

東海部品工業(株)が開発した「脳外科用プレート」

マイクロネジ事業部の一画

マイクロネジ事業部の一画




第2回最優秀賞
有限会社丸萬産業


誰でも参加できる『資源ごみのリサイクルによる
カーボンオフセット(森づくり)』活動の仕組みを提供

リサイクルステーションも確実に増え、カード会員数も増加。
地域通貨としてのエコポイント活動も軌道に乗り始めました。


第2回受賞者は、誰でも参加でき、無理なく資源ごみのリサイクルができる仕組みを開発した有限会社丸萬産業さま。個人や中小企業では難しいとされていたカーボンオフセット(森づくり)活動が、この仕組みにより、誰もが楽しみながらできるようになったことが大きな特徴です。

代表取締役 宮本宗治さん

代表取締役 宮本宗治さん

 県内でも唯一のサービスを提供するリサイクルステーション「森のエコステーション」は、24時間いつでも資源ごみを持ち寄れ、その量に応じ「環境カード」(当社発行のポイントカード)にエコポイントが付加されます。利用者一人ひとりが、CO2を吸収する森や林を育てるカーボンオフセットができるという仕組みです。受賞後は様々なメディアに取り上げていただき、時には直接地主の方から「土地を貸すのでぜひ建ててほしい」と依頼され、反応の大きさに驚きました。「地域を支える三信さんがサポートする企業だから」という信頼の大きさを背に、ステーションは徐々に増え、現在三島・沼津・伊豆の国市・清水町など計10ヶ所に設置しています。
有限会社丸萬産業
 また、地元発祥のスーパーなどに働きかけ、買い物にエコポイントを利用できるようになっています。ポイント制導入に伴う設備等も不要ですし、エコポイントはQUOカードに交換できるなどメリットが多く、更にお店のイメージアップ、集客アップになったと評判も上々です。加盟店も徐々に増え、六月にも新たに一社、スーパーマーケットとの契約を締結し、当初からの目標だった「ポイントが地域通貨として使えるシステム」が軌道に乗りつつあります。
 昨年12月には下土狩にステーションを開設し、長泉役場の方とお話しする機会があったのですが、ステーション開設以来、街の収集ごみが減ってきているとお聞きしました。「お仕事を取ってしまって申し訳なかったです」と申し上げると、「とんでもない。街ではお金をかけてごみの収集を行っているのですから、ごみが減ることはコストの削減になっていますよ」と言っていただけました。地域に根ざした活動を目標とする私たちにとって、それを実感できるうれしいお話でした。
 今後の目標は、地道にステーションを増やし、一人でも多くの方が環境美化に参加できるようにすることと、カード会員を3万人に増やすこと。この事業を静岡県東部全体に展開していきたいと考えています。



第3回最優秀賞
ジオガシ旅行団


伊豆半島ジオパークに絡めた「参画型土産品の企画製造販売」
および「体験プログラム」事業

地域観光活性化を軸に無限に広がって行く事業を実感。
日々学ぶことがたのしい。


伊豆半島が日本ジオパークに認定された翌年の平成25年、第3回受賞者となったのがジオガシ旅行団さま。南伊豆で出会った二つの才能、寺島春菜さんと鈴木美智子さんが発案した、ジオ(風景)を切り取ったお菓子「ジオ菓子」は、観光産業への女性らしいアプローチとして高く評価されました。

ジオガシ旅行団 鈴木美智子さん・寺島春菜さん

ジオガシ旅行団 鈴木美智子さん・寺島春菜さん

 ジオとは大地を意味し、ジオパークとは地球科学的に見て、重要な自然遺産を持つ自然公園です。特に伊豆半島には火山や大地の恵み、痕跡が多く残り、景勝地をめぐるツアーも盛んになってきています。これを伊豆活性化への好機と捉え、土地への関心をわかりやすく、できれば美味しく伝えるツールとして、ジオスポットを視覚化した「ジオ菓子」を開発しました。更に、伊豆半島認定ジオガイドとして、個性的なジオツアーを企画・開催しています。
伊豆半島・ジオ菓子シリーズ

伊豆半島・ジオ菓子シリーズ

 受賞して驚いたのは、街の反応が変わったことです。当初は何をやっているか分からないと言われていましたが、受賞後は「何か面白いことやっている人たちだよね(笑)」と。地域の商工会の商品開発などに参加した時は、実績が可視化されたため話が通りやすくなったように感じました。
 受賞後もジオ菓子の開発を続け、「三島の縄状溶岩」や、贈答用として葉書サイズの「箱ジオ」を作りました。またツアー参加者用に、手のひらサイズの小さいルーペ「ジオルーペ」も首から下げられるよう開発し、イベント等で販売しています。ツアーについても、カヤックツアーなど、他では経験できない個性的なものを開催しています。ここで重要なのが「いかに地元の人を巻き込むか」。地域にはジオスポットの他、地元の漁師や猟師、世界を巡って来たシェフなど個性豊かな役者が揃っていて、より個性的で面白みのあるツアーができる素地があります。
ジオツアー参加者用ルーペ

ジオツアー参加者用ルーペ

 そして、現在、外国の方にもジオ菓子をPRできるよう英語の勉強を始めました。実はこの仕事は勉強することが尽きません。ガイドには経験と、地学やプレートテクトニクス理論への理解など専門的な知識とが求められ、それを面白くわかり易く伝える、エンターテイメントの能力も必要です。伊豆の土地が持つ歴史、民話、古くからの暮らしぶり、祭りや地勢、あらゆることを知りたいと思っています。
 やればやるほど、更にやることが増えて行き、「ジオ」の可能性は大きく夢が広がります。